連載小説

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*第一話*

ブロロロロロロ…

プロペラの鈍い音が微かに聴こえてくる。出発前に空港で見たTVにこの飛行機のCMがやたら流れていて、「防音設備等完備」とひたすらに繰り返していたのをよく覚えていた。つまりこの中はなんとも気持ちが悪い静けさなのだ。
そっと辺りを見回してみると、前の方は先がボヤけるシートが掛かっており、全く見えない。なので代わりに隣を見ると、赤いヒーローコスプレの猫が耳にイヤホンを着け、ゲームをやっていた。「パッケージプランの同行者は二人」とたぬきちが言っていたから、おそらくこの猫は二人のうちの一人なのだろう。
それじゃあと一人は…?とまた辺りを見回そうとすると、唐突に[斜体]カタリ[/斜体]、と音がした。何しろこんな静けさだからそんな普段なら気にも留めない音もやたらと大きく聞こえ、私はあわてて音がした前を向いた。
「えー…まもなく、無人島移住パッケージプランの舞台となる島…a-12に到着いたします…背もたれの位置を元に戻し、シートベルトをしっかりお締めください…a-12の天気は 晴れ、気温は…それなりでございます
まもなく着水いたします…」
といった10秒後ほどに、[斜体]ザブゥゥンヅ![/斜体]と鈍く低い水しぶきの音と共に、体がふわっとぐらつく感覚が来た。車酔いはするが、この手の感覚は割と大丈夫なのが不思議なところである。
「ご搭乗、ありがとうございました…お降りの際は、裏手の出口からお願いします…」
裏の方に運転手はいない。結局最後まで運転手は見られなかった。
…まあいい。
この一歩こそ、無人島生活の第一歩なのだ。
そう感じながら、私は水上にぷかぷか浮かぶ白い飛行機を後にした。
2020/08/24 18:23更新 / みどり
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■作者メッセージ

こっちでは初投稿です。
あつ森好きなんですよね。
どうでもいいかもしれない話ですが、偽造amiiboカードにはお気をつけください。


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